整骨院・接骨院の内装デザインでチェックしておくこと・費用についても解説

整骨院・接骨院を始める際に欠かせない内装デザインに関してチェックしておくべきことをご紹介します。また、内装工事にかかる費用についてのお話もしているので、今後、オープンを考えている人は参考にしてください。

整骨院・接骨院は、コンビニよりも数が多いことをご存じですか?コンビニよりも数が多いとなると、地域によってはライバルが乱立する状況になっていることがわかりますね。ただ、これだけ数が多いことは、やはり需要も多いということを表しています。日本は少子高齢化社会が進行し、今後もこの傾向は変わらないわけですから、ライバルが多く厳しい競争はありますが、今後も伸びが期待できるビジネスであることに変わりはありません。本記事では、主に接骨院の内装デザインでチェックすべきことについて紹介しています。現在、整骨院・接骨院の新規オープンを検討している人は、ぜひ読んでみてください。

整骨院・接骨院の内装デザインは図面が重要

まず、整骨院・接骨院を始めるにあたり重要になるのが図面です。整骨院・接骨院は、病院や薬局のように、保健所により定められた構造設備基準を満たしている必要があります。

構造設備基準とは

この構造設備基準は、基本的な内容については全国共通ですが、地方によってやや異なることがあるので、オープンを予定している地域の保健所が定めている内容を事前にチェックしておかなければなりません。構造設備基準の基本的な内容は以下のとおりです。

・6.6㎡の施術室
・3.3㎡の待合室
・施術室の面積の7分の1以上に相当する部分が外気の解放に使える(換気装備がある)
・手指消毒設備
・施術室と待合室は壁で区切られていること

などです。また、施術室には換気扇が装備されていたとしても、窓が設置されている必要があります。整骨院・接骨院のための物件を探す際は、これらの要件を満たしているかどうか、必ずチェックしておきましょう。

そのほかに必要な設備

整骨院・接骨院のための物件には、構造設備基準の要件をクリアしていること以外にも必要な設備があります。

エアコンとトイレ、そして洗面台は必須の設備です。居抜き物件があれば、この点についてはまず問題ないでしょう。また、使用可能な電気容量も必ずチェックしておきましょう。容量が足りない場合、満足に仕事ができない可能性があります。

整骨院・接骨院に求められる内装デザイン

整骨院・接骨院には体に痛みを抱えている患者さんがやって来ます。病院と同じような施設ですから、病院同様に、患者さんが清潔に感じてくれる、癒やされる内装にするのが理想です。この基本的な考え方とともに整骨院のコンセプトを考えて、内装デザインに反映していきます。もちろん、費用のことなども考えながら内装デザインを考えていくため、なかなか簡単にはいかない仕事ですが、整骨院の内装工事自体は、飲食店などと比較するとそれほど複雑なものではありません。

待合室は患者さんが落ち着ける場所に

すでにご紹介したとおり、整骨院・接骨院は病院同様の場所なので、その顔となる待合室は、清潔感があふれる明るい場所にしましょう。予算が許すのであれば、なるべくスペースを広くとって、観葉植物を設置したり、ミネラルウォーターを提供したりするといいでしょう。

動線を考慮する

内装をデザインする際は、患者さんの動線だけではなく、スタッフの動線も考える必要があります。動線がしっかり考慮されていないと、患者さんもスタッフも不満を感じてしまいます。受付の周辺、施術室の入口周辺、施術ベッド周辺などは「人がすれ違えるか」「人が交錯することがないか」などを考えながらデザインしましょう。

整骨院・接骨院によく採用されている内装デザイン

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一般的な整骨院の施術スペースは、施術用のベッドが並ぶ、非常にシンプルな部屋です。ベッドとベッドの間は区切られていない場合も多いのですが、カーテンレールを天井に設置すれば、簡単なものですがプライベートの保たれたスペースが作れます。

スペースの配色は白やグレーを基調にしている場合が多いようです。

ここまでの説明で、おそらくほとんどの人が「よくある整骨院」と感じたことでしょう。ただ、この内装デザインをそのままおすすめしているわけではありません。この内装にするだけなら、大して悩むことなく新しい整骨院を開業できると思います。ただ、それで成功するとは限りません。お話ししたように、整骨院・接骨院のビジネスは、ライバルがひしめき合う中で差別化できなければ成長は見込めません。「シンプル・イズ・ザ・ベスト」というコンセプトなら、この内装で「あり」かもしれませんが、ターゲットとなる患者さんのことも含め、熟考して出した答えでない限り、この内装で勝負できるかどうかは難しいところでしょう。

近年、注目が集まるおしゃれな整骨院・接骨院

近年、今までの常識とは異なる「おしゃれな整骨院」が注目されています。主に女性の患者さんをターゲットにしている整骨院で、施術を担当する柔道整復師も女性が多いようです。女性、特にまだ若い女性の場合、従来型の「いかにも整骨院」の雰囲気を嫌い、カフェのようなおしゃれな整骨院を選ぶ傾向があるようです。もし、新規オープン予定の整骨院が、比較的若い女性の患者さんをターゲットとして考えている場合は、内装の工事費用にある程度、お金の余裕をもっておくことをおすすめします。なぜなら、カフェのような内装は、建材や照明にお金をかけないと作れないからです。ただし、思惑どおりにターゲットとなる患者さんを引きつけられれば、新しい整骨院を比較的早い段階で軌道に乗せられるでしょう。

整骨院・接骨院の内装にかかる費用

整骨院・石膏院の内装にかかる費用を、工事の部位別にざっとご紹介します。

フロアのタイルカーペット

整骨院・接骨院のフロアによく使われているのは、塩ビ系の素材で作られているタイルカーペットです。とても扱いやすく、価格も手頃で、汚れに強い(しかも張り替えられる)こともポイントです。内装工事の際は、6畳程度の広さで1~4万円ほどになります。ちなみにホームセンターでも、タイル1枚(50×50cm)単位で購入可能で、価格は200~800円ほどです。

壁や天井のクロス

壁には通常、ビニールクロスを張ります。多くの人が出入りするにもかかわらず、衛生状態を保たなければならない整骨院や病院のような場所には、防汚・抗菌効果があるビニールクロスが最適です。6畳程度の広さの壁・天井にビニールクロスを張る場合、6~8万円ほどみておく必要があります。

壁や天井は、何も張らず打ちっぱなしにするという手もありますが、コンセプトやターゲットとなる患者さんのことを分析してから考えることが大切です。

なお、天井はビニールクロスではなく、化粧石膏ボードが採用される場合も多くあります。天井に化粧石膏ボードを張る場合は、6畳ほどのスペースで2~3万円ほどが目安です。

まとめ

整骨院・接骨院の内装デザインに関して、チェックしておくべきことをご紹介しました。近年、これまでにはなかったタイプの整骨院・接骨院が誕生していますが、重要なのはターゲットとなる患者さんを見極めて、内装をデザインすることです。ターゲットに合った内装デザインにすることで、内装は初めて機能します。